ベンチャーと大手の違いとは?特徴やメリットを紹介!

転職先としてベンチャー企業と大手企業のどちらを選ぶべきか、迷っている方も多いのではないでしょうか。

ベンチャー企業と大手企業にはいくつかの明確な違いがあり、「何を重視するか」や「個人の性格」を踏まえて選択する必要があります。

そこで今回は、ベンチャー企業と大手企業の違いについてまとめてみました。

どちらに転職すべきか見極める適正ポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ベンチャー企業と大手企業の基本を比較

ベンチャー企業と大手企業の違いを解説する前に、それぞれの基本情報について確認しておきましょう。

ベンチャー企業とは?

ベンチャー企業とは日本独自の造語であり、明確な定義はありません。

ただし、英語の「adventure(冒険)」が語源になっていることから、一般的に従来の大手企業では提供していない「先進的な商品やサービスを創出している企業」を指し、以下のような特徴があります。

  • 新規事業の立ち上げがスピーディー
  • 若手にも一定の裁量権が与えられている
  • 短期間で多くの経験が積める
  • 社員の平均年齢が若い(20代~30代が主力)

スタートアップ企業やユニコーン企業との違い、優良ベンチャー企業の特徴などについては、以下の記事の後半で詳しく解説しております。


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大手企業とは?

一方、大手企業とは業界での認知度およびシェア率が高い企業を指しており、以下のような特徴があります。

  • 上場企業が多く、社会的信用が高い
  • 経営基盤が安定している
  • 業務が部署ごとに細分化されている
  • 勤続年数に伴って、賃金や役職が上がる

ベンチャー企業と大手企業の違い

ベンチャー企業と大手企業の代表的な違いとして、以下の5点が挙げられます。

  • 仕事内容の違い
  • キャリアアップの違い
  • 社風の違い
  • 福利厚生の違い
  • 社会的信用の違い

ここからは、上記5点についてベンチャー企業と大手企業とではどのような違いがあるのか、個別に解説していきます。

仕事内容の違い

ベンチャー企業の仕事内容

ほとんどのベンチャー企業は、大企業よりも従業員が少ない「少数精鋭」が常です。

必然的に若手にも一定の裁量権が与えられており、仕事の進め方においても自由度が高い傾向がみられます。

たとえば、新規事業の立ち上げメンバーに選ばれた場合は、マニュアルさえありません。

試行錯誤を重ねて新しい商品・サービスを生み出す経験値は、ベンチャー企業ならではの醍醐味と言えるでしょう。

また、担当した仕事に対して強い責任感が求められるため、どうすれば効率がアップするのか、より成果を挙げるには何をすべきか、自然と「自分の頭」で考える習性が身につくのもベンチャー企業で働く魅力です。

ベンチャー企業での働き方については、以下の記事で詳しく解説しております。


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大手企業の仕事内容

一方、大企業では大勢のスタッフによって大規模なプロジェクトを遂行するため、1つの事柄を決定するにも他部署の承認を得なければなりません。

基本的に分業制になっており、とくに新人に任される業務の範囲は限定的なので、仕事の自由度は低いのが実情です。

その反面、あらかじめマニュアルが完備されており、上司や先輩から丁寧な指導を受けることができます。

大手企業で働くことで、自分の役割を理解する力や相手の考えを汲み取る力が自然と身につくでしょう。

キャリアアップの違い

ベンチャー企業のキャリアアップ

結論から言うと、ベンチャー企業は大手企業よりも短期間でキャリアアップが可能です。

社員数が多く年功序列が根強い大手企業では、入社して間もない社員が大きな仕事を任せて貰えるケースは滅多にありません。

その点、大手企業よりも人材が限られているベンチャー企業では、たとえ新人でも即戦力として事業に参加するチャンスが与えられるため、短期間で多くの経験を積むことができます。

資格取得に向けて勉強会や書籍の費用負担など、独自のキャリアアップ制度を設けている会社が多いのも、ベンチャー企業の特徴です。


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大手企業のキャリアアップ

一方、大手企業では基礎から専門分野まで、手順に沿って時間を掛けて確実に育てるのが基本的な教育方針です。

入社後の新人研修として、数か月間の座学が定例化している大手企業も珍しくありません。

何より、入社後の数年間は基本を学ぶことに専念するように指導されるため、携われる業務も限られているのです。

なかには社内コンペに新人の参加を認めている大手企業もありますが、新規事業に携われるチャンスはベンチャー企業に比べて絶対的に少ないと言えます。

教育方針がスローペースな大手企業は、短期間でキャリアアップを狙うのではなく、時間をかけてじっくり成長したい人におすすめです。

社風の違い

ベンチャー企業の社風

ベンチャー企業では、大企業に比べて社員の平均年齢が若いという特徴が見られます。
なかには、代表取締役が20代~30代前半のベンチャー企業も少なくありません。

経営陣と一般社員の年齢差が小さい分、スタッフ間の距離感が近く組織全体の風通しが良いのが大きな強みになっています。

また、ベンチャー企業の多くが年齢や経験ではなく「実力主義」を採用しているため、上下関係がさほど厳しくないのも、働きやすいと評価されている理由です。

ベンチャー企業の社風については以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。


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大手企業の社風

大企業の社風は、男女を問わず長く安定して働きやすいのが特徴です。

育休制度をはじめとするニーズの高い福利厚生が整っているうえ、有給の取りやすさや部署異動・転勤の希望が申請しやすいなども、離職率が低い理由でしょう。

その反面、長年にわたって保持されてきた「社訓」に違和感を覚える人にとっては、居心地が悪いかもしれません。

また、企業の規模が大きいため「個人」よりも「組織」が重視される傾向が強く、意に沿わない転勤を命じ命じられることもあります。

福利厚生の違い

ベンチャー企業の福利厚生

ベンチャー企業では、産休・育休制度などの基本的な福利厚生に加えて、以下のようなユニークな事例があります。

  • アニバーサリー休暇
  • 役職を超えたランチ会
  • テレワークなどのフレキシブルな働き方
  • BBQなど、家族参加型のアクティビティ
  • 朝ヨガや健康ドリンクの配布などの健康サポート
  • 成果によるボーナスやインセンティブ
  • 書籍購入やe-ラーニングの費用補助などのキャリアアップサポート

ベンチャー企業の福利厚生については、以下の記事でも詳しく解説しております。


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大手企業の福利厚生

一方、大手企業の福利厚生は、いかに社員が長く安定して働きやすいかが重視されています。

具体的には、男女を対象にした産休・育休制度をはじめ、独身寮や家賃補助、北国の支店で働く社員限定の燃料費補助など、生活の基盤を安定させるための福利厚生が充実しているのが特徴です。

社会的信用の違い

ベンチャー企業の社会的信用

ベンチャー企業の多くは社歴が浅く未上場なため、社会的信用は大手企業に比べて乏しいのが実情です。

上場している大手企業に勤めている人と比べると、住宅ローンなどで不利になることもあるでしょう。

だからと言って、必ずしも年収が大手企業に劣るとは限りません。

実力や実績によっては20代で大手企業よりも高い年収を得ている人もいますし、平均年齢が若いにもかかわらず平均年収が1.000万円を超えている優良ベンチャー企業も存在します。

たしかに大手企業は安定かつ高年収が強みではあるものの、20代で年収1.000万円を超えるケースは、極めて希なケースです。

以下の記事では、実際のベンチャー企業の年収についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


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大手企業の社会的信用

知名度の高い大手企業は財務状況が良好な会社が多く、社会的信用度も申し分ありません。

とくに上場している大手企業は倒産リスクが低いと判断されるため、各種ローンが通りやすいという強みがあります。

ベンチャー企業のメリット・デメリット

結論から言うと、ベンチャー企業のメリットとデメリットは単純に比較できません。

なぜなら、Aさんにとってはメリットであっても、Bさんにとってはデメリットになる「表裏一体」の関係性にあるからです。

※左右にスライドしてご確認ください

メリット 項目 デメリット
新規事業を積極的かつスピーディーに立ち上げるため、新人でもチャンスが得やすい 働き方 新規事業の立ち上げに「正解」はないため、成果を挙げるには膨大なトライ&エラーを繰り返す労力が必要
新人でも短期間でさまざまな経験が積めるため、成長スピーディーが早い キャリアアップ 手取足取り指導して貰えるとは限らないので、自力で打開する必要がある
実力主義の風潮が強いため、結果を出せば短期間で出世できる 評価 成果を出せなければ降格・減俸はもちろん、後輩に追い越されることもある
若いうちから高い志を持って、仕事に取り組める ビジョン 業務展開がスピーディーで上昇志向の高いメンバーが揃っているため、常に高いモチベーションを保持していなと脱落する

ベンチャー企業の強みや弱点については、以下の記事でも詳しく解説しております。


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大手企業のメリット・デメリット

一方、大手企業のメリット・デメリットは以下の通りです。

※左右にスライドしてご確認ください

メリット 項目 デメリット
大所帯のチームで1つのプロジェクトを作り上げるため、負うべき責任は限定的 働き方 新規事業に携われるチャンスが少なく、新鮮味に欠ける
マニュアルや研修制度が整っており、手厚い指導が受けられる キャリアアップ 時間をかけてじっくり育てる教育方針を採用しているため、キャリアアップに時間がかかる
年功序列が根強いため、目立った実績がなくとも一定の収入は得られる 評価 個人よりもチームの成果として評価されがちなため、規定以上のベースアップは希
支店数が多いため、希望地への転勤を申請しやすい 職場環境 希望していない支店へ転勤を命じられることもある

【適正チェック】ベンチャー企業と大手企業のどちらが向いている?

最後に、ベンチャー企業と大手企業のどちらが向いているのか、適正を見極めるチェックポイントをご紹介します。

ベンチャー企業に向いている人の適性

以下の適正に当てはまる項目が多い人ほど、ベンチャー企業に向いています。

  • チャレンジ精神が旺盛な人
  • 新しいビジネスを開拓したい人
  • 既存のビジネスでは得られない「やりがい」を求める人
  • 上昇志向が高く、成長意欲が旺盛な人
  • 若いうちから幅広い経験を積みたい人
  • 将来的に、独立起業を目指している人

ベンチャー企業に向いている人の特徴については、以下の記事でも解説しております。


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大手企業に向いている人の適性

一方、以下の適正に当てはまる項目が多い人は、大手企業が向いています。

  • 冒険より安定性を重視する人
  • 新規事業を考案するよりも、自分の役割を全うすることに喜びを感じる人
  • 手厚いサポートを受けながら、時間をかけて着実にキャリアアップしたい人
  • できるだけ長く、1つの企業に勤め続けたい人
  • 企業のブランドに価値を感じる人

まとめ

ベンチャー企業と大手企業の違いについて解説してきました。

チャレンジ精神が旺盛でスピーディーなキャリアアップを目指している人なら、ベンチャー企業がおすすめです。

一方、安定志向の強い人には、長く働きやすい大手企業が向いています。

ベンチャー企業に転職すべきか、それとも大手企業に転職すべきか迷ったら、今回ご紹介した適正チェックをお試しください。