フィールドエンジニアとは?ベンチャーで築くキャリアの魅力
「人と関わる仕事がしたい」「手に職をつけたい」「未経験からでも技術職にチャレンジしたい」という方にこそ、フィールドエンジニアという働き方は大きな可能性を秘めています。
フィールドエンジニアとは、顧客の現場に赴き、技術的なサポートや機器の導入・保守・トラブル対応を行うエンジニアのことです。
プログラマーのようにオフィスでコードを書くのではなく、実際の現場で人と接しながら課題を解決する、非常に実践的でダイナミックな仕事です。
本記事では、「フィールドエンジニアとは?」という基本から、具体的な仕事内容や年収、キャリアの広がりを解説します。
向いている人の特徴や「なぜベンチャーが最適な選択肢なのか」まで、未経験の20代向けにわかりやすくまとめたので、最後までご覧ください。
目次
フィールドエンジニアの仕事内容とは?
フィールドエンジニアは、顧客の現場で技術的なサポートを提供する「現場系エンジニア」です。
多岐にわたる業務内容を、以下の4つの柱に分けて紹介します。
- 設置・導入(アーキテクト)
- 予防保守(ガーディアン)
- 緊急トラブル対応(プロブレムソルバー)
- 顧客対応・営業支援(アンバサダー)
一見、修理や保守といった裏方のイメージが強いかもしれませんが、実際には製品導入から運用サポート、緊急対応、営業支援までをカバーする非常にダイナミックな仕事です。
1. 設置・導入(アーキテクト)
最初のミッションは「設置=システムを使える状態に設計すること」です。
顧客の環境やニーズを正確に捉えたうえで、最適なシステム構成を構築し、円滑な運用のスタートを実現します。
単なる配線作業ではなく、業務フローを理解したうえで、最適な設定や接続方法を提案・実行する設計者としての視点が必要です。
導入時に丁寧なサポートを行うことで、後々のトラブルを大幅に減らせます。
まさに“第一印象”を決める大事な工程であり、信頼構築の入口なのです。
2. 予防保守(ガーディアン)
「壊れる前に守る」ことが、フィールドエンジニアの本領です。
予防保守は、システムが正常稼働を続けるための定期メンテナンスや点検作業といえます。
障害が起きる前に兆候を察知し、ソフトウェアのアップデートや部品交換などを行うことで、ダウンタイムを未然に防ぎます。
単に技術を使うだけでなく、「何も起きない状態を維持する」という一見地味ながら極めて重要な業務です。
3. 緊急トラブル対応(プロブレムソルバー)
突発トラブルこそ、フィールドエンジニアの力が試される瞬間です。
突然のシステム障害や機器の停止が起きた際、最短時間で現場に駆けつけ、冷静に状況を分析・復旧を行います。
スピードと正確さが求められ、判断ミスは顧客の損失につながるため、非常に高い集中力と技術力が問われます。
逆に言えば、顧客のビジネス危機を救ったときの「ありがとう」の一言が、何よりのやりがいになる仕事。
短時間で解決方法を導く能力は、現場経験の積み重ねが大きな力になるため、経験値を高めることがフィールドエンジニアでは大切です。
4. 顧客対応・営業支援(アンバサダー)
フィールドエンジニアは「会社の顔」として顧客に接します。
顧客の最前線でコミュニケーションを取り、製品の使い方を説明したり、現場での課題をヒアリングして営業へフィードバックしたりする役割も重要です。
時には製品改善の意見を開発に伝えるといった、サポート業務を超えた価値創造の担い手にもなります。
現場で得たリアルな声が、製品の進化に貢献できることもあるでしょう。
技術だけでなく、人との関係性を大切にできる方にぴったりのフィールドです。
フィールドエンジニアの活躍の場
フィールドエンジニアは、特定の業界にとどまらず、あらゆる現場で求められる「縁の下の力持ち」です。
ITから医療、インフラまで、その技術力が活かされるフィールドは多岐に渡ります。
ここでは代表的な業界と、それぞれの特徴を見ていきましょう。
IT・通信業界:企業インフラの屋台骨を支える
最も多くのフィールドエンジニアが活躍している業界がIT・通信です。
サーバーやネットワーク機器の設置・保守、障害対応が主な業務で、企業の業務インフラを安定的に稼働させる責任を担います。
クラウド化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、IT機器の運用負荷も複雑化しており、現場対応力のあるエンジニアの需要は高まる一方です。
顧客の「止められない」業務を支える存在として、緊急対応力と継続サポートの両立が求められます。
製造業・ロボティクス:現場の生産ラインを守る
工場の生産ラインでは、産業用ロボットやPLC(制御装置)の安定稼働が業務効率と品質に直結します。
フィールドエンジニアは、機器の設置、定期点検、そして故障時の対応を通して、現場の稼働を支える「守りの要」として活躍します。
特に、24時間稼働する工場では、1時間の停止が数百万円規模の損失になることもあり、迅速な対応が非常に重視されます。
現場への出張が多く、リアルなものづくりの現場に関わる実感を得られるのも、この分野の魅力です。
医療業界:命を預かる現場での精密対応
病院などの医療機関では、MRIやCTスキャナといった精密機器の設置・保守を担当するフィールドエンジニアが活躍しています。
人命に直結するため、定期的な点検や校正、緊急時の迅速な対応が求められます。
作業には専門性だけでなく、医療現場特有の配慮やマナーも必要であり、技術と人間性のバランスが問われます。
トラブルを未然に防ぐことで、医療現場の安心を守ることができる、非常に社会貢献度の高いフィールドです。
オフィス・OA機器業界:日常業務の安定を支える縁の下の力持ち
複合機やプリンターなどのOA機器も、業務の中では欠かせないインフラです。
機器の故障が発生すると、社内業務に大きな支障が出るため、迅速なメンテナンスが求められます。
訪問サポートにおいては、現場でのユーザー教育や使い方の指導も業務に含まれるため、「顧客対応力」が大きな武器になります。
操作が苦手な方へのわかりやすい説明が、信頼関係構築につながることも多く、接客スキルを活かしたい方に向いています。
インフラ業界:都市機能の根幹を担う重要任務
電力、空調、エネルギー設備などのインフラ関連の現場では、ビル全体のシステムやエネルギー設備の維持・管理がフィールドエンジニアの役割です。
停電やシステム障害は、一般市民の生活にも影響を与えるため、責任の大きさは計り知れません。
国家資格が必要となる場合もありますが、やりがいや社会的信頼性は非常に高く、長期的なキャリア形成に向いた分野です。
安定性と専門性を両立したい方には理想的な業界です。
フィールドエンジニアとほかのエンジニア職との違い
よく混同されがちな以下の3つの職種と比較しながら、フィールドエンジニアという仕事の輪郭を明確にしていきます。
- サービスエンジニア
- セールスエンジニア(FAE)
- 社内SE
「エンジニア」と名のつく職種は多くありますが、フィールドエンジニアには他職種にはない特徴があります。
サービスエンジニアとの違い
サービスエンジニアは、主に既存製品の保守や修理、いわゆる「アフターサポート」を中心に活動する傾向があります。
一方で、フィールドエンジニアは、導入から保守、アップグレード提案までを担う「幅広い技術支援のプロ」です。
つまり、サービスエンジニアは「導入後に発生する問題への対応」が主戦場であるのに対し、フィールドエンジニアは「導入から関わり、運用の最適化まで広く担当する」立場です。
セールスエンジニア(FAE)との違い
セールスエンジニアは契約前の顧客に最適な技術提案をする役割ですが、フィールドエンジニアは購入された製品を現場に導入し、定着・運用までを支えます。
つまり、セールスエンジニアはプリセールス(販売前)、フィールドエンジニアはポストセールス(販売後)を主戦場とするのが基本です。
ただし、フィールドエンジニアが現場で顧客ニーズを拾い、アップセルや製品改善提案を行う場面も多く、両職種の境界は徐々に曖昧になっています。
現場での経験が提案力につながることも多く、技術営業へのキャリア展開も可能です。
社内SEとの違い
社内SEは「自社社員」を顧客とするエンジニアであり、社内のITインフラ整備やヘルプデスク業務が中心です。
一方、フィールドエンジニアの顧客は「外部企業」であり、訪問先での対応が基本。
常に会社の“代表者”として顧客と接するため、高いホスピタリティと対外的なマナーが求められます。
また、トラブルの現場に一人で赴くことも多く、プレッシャーの大きさや責任の範囲は社内SE以上といえるでしょう。
外に出てリアルな顧客と向き合いたい人には、フィールドエンジニアの方がおすすめです。
フィールドエンジニアの年収
フィールドエンジニアの年収について、以下の2つのポイントから解説します。
- 未経験者の年収
- 将来的に目指せる年収
経験に応じて収入が大きく伸びる職種であり、20代で着実な経済基盤を築けます。
フィールドエンジニア未経験の年収|平均370~400万円
未経験でのスタートでも、フィールドエンジニアの平均年収は370~400万円と安定しています。
ほかの未経験職と比較しても高水準で、月給27万円以上を提示する求人も珍しくありません。
OJTや社内研修を通じてスキルを身につけながら、生活基盤を崩さずにキャリア形成ができる点が大きな魅力です。
職種未経験者でも安心して挑戦できるフィールドが広がっています。
フィールドエンジニアが目指せる年収|30代で600万円超も
30代前半でも600万円以上を狙えるケースも多く、実績が収入に反映されやすいことが特長です。
対応スピードや問題解決力、顧客からの信頼など、「現場力」が高く評価されるため、若いうちから活躍のチャンスが広がります。
特にITや医療系など、専門性の高い業界では年収の伸び幅も大きくなります。
フィールドエンジニアのキャリアパス
フィールドエンジニアが目指せるキャリアの選択肢には、以下が挙げられます。
- スペシャリスト
- マネジメント職
- ほかのエンジニア
現場経験で培った知識とスキルは、あらゆる道へとつながるため、希望や適性に応じて選びましょう。
スペシャリスト
特定の機器や技術分野に精通することで、企業にとって代えの利かない存在となれます。
例えば、半導体製造装置や高度医療機器などの専門性が高い分野では、トラブル解決や改善提案がそのまま評価につながり、高報酬も実現しやすくなります。
現場に密着しながら第一人者を目指せるのが、このキャリアパスの魅力です。
マネジメント職
経験を重ねたエンジニアは、チームを束ねる立場へとステップアップ可能です。
リーダーやプロジェクトマネージャーとして若手を育てながら、大規模案件をまとめ上げるスキルが求められます。
やがてはサービス部門や技術部門の責任者として、経営戦略に関わるポジションも視野に入れられるでしょう。
リーダーシップをとってチームを動かせる方に、おすすめの方向性です。
ほかのエンジニア
フィールドエンジニアの現場経験は、ほかの職種への転向にも強みとなります。
セールスエンジニアやITコンサルタント、カスタマーサクセスマネージャーなど、顧客との接点と技術知識の両方を活かせるポジションが多く、転職市場でも高評価を得やすいです。
「技術+コミュニケーション力」は、あらゆる業界で重宝されるハイブリッドスキルです。
セールスエンジニアで培った力があれば、ほかのエンジニア職でも十分に活躍できるでしょう。
フィールドエンジニアのやりがい
フィールドエンジニアのやりがいは、以下の3つです。
- 顧客に直接「ありがとう」と言われる喜び
- 問題を自分の手で解決する達成感
- 知識と経験の蓄積と成長
フィールドエンジニアの仕事は、決して「楽」ではありません。だからこそ、目に見える成果と感謝される実感が、大きなやりがいにつながります。
顧客に直接「ありがとう」と言われる喜び
フィールドエンジニア最大のやりがいは、成果が目の前で実感できること。
トラブルを解決した瞬間、顧客が見せる安堵の表情や「本当に助かりました」という感謝の言葉は、顧客の近くで働く仕事ならではの特権です。
多くのオフィスワークでは味わえない「人の役に立つ実感」が、日々のモチベーションにつながります。技術で信頼を勝ち取り、人との絆を感じられる仕事です。
問題を自分の手で解決する達成感
複雑なシステム障害を、自らの知識と行動で復旧させる瞬間には、他の職種にはない達成感があります。
「自分がいなければ業務が止まっていた」といった、リアルなインパクトを感じられるのがフィールドエンジニア。
経験を積むごとに問題解決のスピードと精度が上がり、自分の成長がはっきり実感できるのも大きな魅力です。
知識と経験の蓄積と成長
現場で遭遇するトラブルや環境は毎回異なるため、毎日が学びの連続であり、自身の成長にやりがいを感じられます。
IT・機械・ネットワークなどの幅広い技術知識だけでなく、顧客とのやり取りで培われる対応力も、自然と身につきます。
「昨日の自分より強くなっている」と感じられる瞬間が多く、長期的に見て非常に成長できる職種です。
未経験フィールドエンジニアになるならベンチャー企業へ
ベンチャー企業は、以下の理由により「成長したい未経験者」にとって適切な環境といえます。
- 自分の成果が会社の成長に直結する
- 多様な業務に関わり、成長スピードが段違い
- アイデアや提案がすぐに形になる文化がある
特にフィールドエンジニア職においては、大手にはない実践機会と裁量の大きさが、圧倒的なスピードでの成長を可能にします。
自分の成果が会社の成長に直結する
ベンチャー企業でフィールドエンジニアとしての成功が、会社の成長に大きく貢献できます。
ベンチャーでは、エンジニア1人の働きがそのまま会社の業績や評価に影響します。
顧客の現場で問題を解決した体験が、成功事例として社内で共有され、開発方針や営業戦略の見直しにつながることも珍しくありません。
つまり、あなたの対応が会社の方向性を変える力を持っているのです。
多様な業務に関わり、成長スピードが段違い
ベンチャー企業なら、幅広い業務にかかわれるため、大手では感じられないスピードでの成長が可能です。
少人数のベンチャーでは、役割が固定されていないことが多く、フィールドエンジニアも技術支援だけでなく、営業同行やプロダクト改善提案などに関わることもあります。
短期間で幅広いスキルが身につき、数年後には市場価値の高い人材へと成長できます。
与えられた仕事だけでなく、「自分で仕事を創る」経験が積めるのです。
アイデアや提案がすぐに形になる文化がある
「現場で感じた課題」を経営層に提案できるスピード感も、ベンチャーの醍醐味です。
大企業のように何層もの承認プロセスを経る必要がなく、自分のアイデアが即プロジェクト化されることもあります。
改善提案が歓迎される文化があるため、自発的に動く人ほど活躍の場が広がるでしょう。
転職先としてベンチャー企業を考えている方は当サイトへ
フィールドエンジニアとして転職するならベンチャー企業にしようかなとお考えの方は、ぜひ当サイトをご覧ください。
「もっと自分の力を試したい」「大きな裁量で仕事がしたい」と考えているなら、ベンチャー企業への転職は最良の選択肢です。
特にフィールドエンジニアは、技術と行動力を兼ね備えた人材として、ベンチャーの成長を支えるキーポジションになります。
当サイトでは、ベンチャー企業情報を多数ご紹介していますので、ぜひ企業探しのサポートとしてご活用ください。
